産後女性と日々接している中で、「性教育」を受けているかどうかが「産後クライシス」「産後うつ」、日々の夫婦間パートナーシップ、ワークライフバランスまで、もろもろ影響するなと感じています。子どもが生まれてからパートナーのモラハラ的態度に気づく女性は多くて(噴出もしやすい時期)、でも同時に子どもがいるからこそ2人の関係性を解消するにもたくさんのハードルが立ちはだかっている…危機に瀕してから手当てをするのではなく、子ども時代から「自分を大切にすることを学ぶ」=性教育の重要性を感じています。
というわけで昨日の続きになりますが、「子どもたちの健やかな未来を守る包括的性教育」での産婦人科医遠見才希子氏、弁護士山下敏雅氏の中高生と日々接している現場からのご報告も。
↑こちらのイラストはアメリカの性教育NGO「AMAZE.org」のもの。バナナでコンドームをつける練習が性教育じゃないよっていうのをこれまた絶妙なイラストで描いています。そして周りにある言葉にも注目。
産婦人科医遠見才希子氏
「産婦人科医が行う性教育の実際と教科書や医療における課題」
私は、中学3年生のとき初体験をしました。
2人とも初めてで、知識もなくて、最初から中出しでした。
半年後に妊娠して中絶しました。
私は妊娠がわかったときお腹をなぐりました。
流産すれば気づかれないと思ったからです。
私は最低でした。
著書『ひとりじゃない』より。日本では規定により中学校の教科書に「避妊」の言葉は書かれていないのです。知識がなくて当たり前ですよね、、、でも心も体も傷ついてしまうのは子ども達です。そして罪の意識を感じるのも子ども達。ネットであふれているAVなどの動画はコンドームをつけるどころか…。
・日本の「性交同意年齢」は13歳(海外は15~18歳の国が多い)。親による性虐待で現在も裁判中の案件が…2020年で見直しになるのか。
・中学校の学習指導要領「受精・妊娠を取り扱うもの年、妊娠の経過は取り扱わないものとする」!?→”はどめ規定”といわれ、「性交」「避妊」について書かれていない。
・性感染症の発生動向:コンドームでは完全予防できない「梅毒」が増加傾向。
・緊急避妊薬(アフターピル):安易な販売、悪用や乱用の懸念がある・欧米と異なり性教育が遅れているため、使用者自身のリテラシーが不十分である…などの理由で見送られている…性教育の見直しを早急に。
・中絶:日本では掻爬法が8割を占める。文字から想像がつくように「かき出す」手術法でWHOでは「時代遅れの方法であり、真空吸引法またはMedical Abortion(薬剤による中絶/流産)に切り替えるべきである」と勧告を2012年に出している。
弁護士山下敏雅氏
「子どもたちの人権を守る活動家」
子どもたちにもっと弁護士を身近に感じてもらうために、子ども達自身に権利があることを知ってもらうために、中高生センター(児童館)に月1回で訪問活動。
・人権というと堅苦しく聞こえるけれど「自分が大事な存在だと思えること、自分の人生を自分で決められること、一人ぼっちではないと実感できること、それが人権だ」
・セクシャルマイノリティを取り扱うのはなぜか?日本では部落差別などいろんな差別があるけれど、一番身近で守ってくれるべき存在であるはず親からも理解を得られず、時に差別されるのがセクシャルマイノリティだから。
・性はすべての人にかかわる問題=すべての人が当事者。
・性教育:性加害者を作らないこと
男性なので男子中高生はより一層、相談しやすい存在だろうな!…ということで中高生センターでは実際に雑談から深い相談を受けるエピソードを色々ご紹介くださいました。
3人の講演の後には、ジョイセフの小野美智代氏から日本は性教育が進んでいた国であるけれど(初期中絶も諸外国より20年近く前に合法化)現在の遅れと課題について、また土屋麻由美助産師からは特に乳幼児に伝えている性教育現場の話をされました。ちょうど週末に土屋助産師の性教育講座に参加して、子どもたちの純粋な好奇心に接していたので、現場の言葉は響きました!政治家の方々にも響きますように…!
「日本って遅れているな」「子育てしにくいな」って嘆くのは簡単だけれど、この国で生まれて育っていく子どもたちの未来のためにも、今できること=声をあげていくことを続けていこうと思います。
●産後ケア教室@赤羽(水)●( )内は4回通して同伴可能なお子様のお誕生日
●マタニティケア教室@吉祥寺●
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◆11/12(火)10:00-11:00 大泉にじのいろ保育園 (西武池袋線大泉学園駅徒歩15分・バスあり)2019/4/16以降生まれのお子さんはご同伴いただけます。
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