上記ブログの通り、虐待で亡くなる赤ちゃんののうち最も多いのが生後0日目。加害者の6割以上が実母。要するに人知れず自宅で産んで殺めてしまうケースが多いのです。父親が誰かもわからないケースも多いでしょう。
それは特殊なケースではありません。私も産後うつになった時に、もし自分に体力が残っていたら愛しい我が子に手を上げていたかもしれない。産後の女性の心身の健康状態が大きく影響します。男性には正気でない産後女性に寄り添ってほしいのです。オムツ替えや、料理を作ってくれるのももちろん嬉しい。けれどそれ以上に思いを共有してほしい。
男性の育休取率増加に向けて大きなムーブメントが起こっています。ぜひ妻の産後2週間~1か月は取得してほしいです。同時にいつも提言しているのが「妻の産後1年(赤ちゃんが1歳になるまで)の定時退社」です。
育休を取得して、その後仕事のしわ寄せで残業続きになったら、より大変です。育児はその後が長いのです。
0歳児のいる家庭の夕方6-9時は魔の時間帯です。
・夕方ころから黄昏泣きを始める赤ちゃん
・そんな赤ちゃんを様子見ながら夕食をつくる
・自分のご飯すらままならず授乳しながらの夕食
・授乳してとにかく空くお腹(↓1日517kcal!寝不足でラグビー一試合分消費)
・お腹を空かせて不機嫌になる上の子たち
・上の子たちの食べ散らかし
・首がすわらない、腰がすわらない赤ちゃんを抱っこしながらの自分の入浴
(洗うどころか、拭くのすらままなりません)
・恐怖の(!)寝かしつけ
母乳を与える。
それだけで、
ラグビー1試合分の体力を
消耗してしまう。
(電通グループのクリエイターたちが社会貢献の一環として、NPOのポスターを制作。その際にマドレボニータを担当してくださっタ河合佐美さんポスターコピーが、TCC(東京コピーライターズクラブ)新人賞を2017年に受賞したものです)
この時間に大人がもう一人いるだけでいいんです。「大変だね」そんな共感の言葉をかけ合えるだけで正気に戻れるんです。定時に帰宅してほしい理由です。心身ともに不安定な産後女性を魔の時間帯に一人にしないでください。
一人目の産後だから「産後うつ」になるわけではありません。2人目でも、3人目でもなります。大好きな漫画「コウノドリ8」(鈴ノ木ユウ・モーニングKC)より
3人目の産後だから周囲にはベテランと見られる。けれど実際にはやっと子育て1段落したと思った頃にできた3番目。可愛く思えない時があると思い詰める産後女性。一番辛いのは夫にねぎらわれないこと。
産科医に相談した後、思い切って「早く帰って来て」コールをします。
お腹が空いて暴れる上の子どもたち。「ちょっとしんどいから待っててね」の言葉は3歳児には通じません。その結果。。。。
手を下してしまった後、再度夫に電話をします。「殺しちゃうかもしれない」
ただごとならぬ様子に帰宅する夫が見た光景。可愛い子どもたち3人と愛する妻のいる家庭…それは幸せな産後ではなく。。。
「赤ちゃんが嫌いになったわけではないけれど、可愛いと思えない時がある」
「子どもがいてくれるだけで幸せなんだ。養うために頑張って働くんだ」
そんな思いをお互いに共有できるだけで、虐待も母子心中も、産後うつによる自殺も防げるのではないか…?幼い命を守るためにも、男性が定時退社を堂々とできる社会をめざしたいです。
*本記事は2015年6月「日刊シマン」前楽天ブログに投稿したものです。
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●産後ケア教室@小竹向原● ( )内は4回通して同伴可能なお子様のお誕生日
<最終>【3月コース】6,13,20,27(水)10:00-12:00 定員になりました(2018/08/29以降)
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