10日の入院期間に映画、ドラマ、乱読していた本を(めっちゃ)少しずつですが紹介していきます。前向きになれる闘病記もたくさん読んだのですが、それよりもたくさんの「物語」がセラピーになりました。
『流浪の月』凪良 ゆう著
入院中に乱読していた中で、私の読書体験を覆すような本に出合えました。『流浪の月』!2020年の本屋大賞を受賞しているので読んでいる方も多いと思うのですが、やっぱり本屋大賞は外さないなーと改めて感じます☆ありがとう、本屋さん!
私が読書(とくに物語)に求めているのは自分の想像力の伸びしろを広げること。他者と関係性を結んだり、共感したり、思いやりをもつためには、「想像力」が必要。でも「想像力」には限界があるからこそ、文字の物語を読んで広げていく。
でも「想像力」だけでは足りないということを『流浪の月』からは改めて突き付けられる。もっと大切なのは、相手の言葉を「聴く」こと。皮肉なことに「聴く」時に、むしろ「想像力」は邪魔になる。「想像力」を排除して「聴く」ことが大事。
とか書くとむずかしく思われるかもだけれど、ショッキングな事件と対比してやさしい言葉によるストーリーテリングで一気読みしちゃうこと間違いなしです。とはいえAmazon他のあらすじではあらすじが全く想像つかないので…。
主人公の更紗は世間的には変わり者扱いだけれど、めちゃ愛し合っている両親に育てられ幸せな幼少期を過ごしていたのが父の病死とそれに伴い精神的に追い詰められた母の蒸発によって、9歳の時に伯母宅に引き取られる。伯母宅のひとり息子の中学生による性的虐待で居場所を失う。そんな時に大学生の文(男性)と出会い、彼の家についていく。もちろん世間的に見れば許されざる事件として捜査、報道され2人は引き離される。事件から15年経って被害者とされる更紗はどう生きているのかという内容。性的虐待という言葉を使うと読むのが辛くなってしまうかもしれませんが、怖い描写はなく、かといって性的いたずらなんていう軽い言葉ではすませてはならないことなので。
『流浪の月』凪良 ゆう著
【Amazonより引用】
あなたと共にいることを、世界中の誰もが反対し、批判するはずだ。わたしを心配するからこそ、誰もがわたしの話に耳を傾けないだろう。それでも文、わたしはあなたのそばにいたい――。再会すべきではなかったかもしれない男女がもう一度出会ったとき、運命は周囲の人間を巻き込みながら疾走を始める。新しい人間関係への旅立ちを描き、実力派作家が遺憾なく本領を発揮した、息をのむ傑作小説。
「言葉を紡ぐ」ことの治癒力と、そのために「聴く」ことの大切さを教えてくれる本
「謝るなら、いつでもおいで」川名壮志
「謝るなら、いつでもおいで」川名壮志(文庫版)
「僕とぼく 妹の命が奪われた「あの日」から」川名壮志
「謝るなら、いつでもおいで」「僕とぼく 妹の命が奪われた「あの日」から」については過去にブログでも書きました。
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