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2019年11月16日土曜日

『謝るなら、いつでもおいで』『僕とぼく 妹の命が奪われた「あの日」から』

『聴く』『問う』姿勢について大きく影響を受けた本=「佐世保小6同級生殺害事件」について被害者少女家族の近い存在であった記者川名壮志さんの『謝るなら、いつでもおいで』!刊行から5年経ち、2人のお兄ちゃんたちに丁寧に彼らの物語を”聴いた”『僕とぼく』…こちらもまたしてもすごい本でした。



小6で母をガンで亡くし、中2で支え合うように生きてきた仲の良い妹を失うお兄ちゃん=「ぼく」。事件があった当日、全校自習になり、生徒指導室に呼ばれたくさんの教職員に囲まれ、「yahooニュース」のコピーで妹の死を知らされた。小6女子が小学校内で同級生をカッターで刺すというのは当時、大ニュースになって、私も覚えている。一番近い存在のお兄ちゃんはYahoo!ニュースで知らされ(教職員たちもどう伝えるべきか考えあぐねた末だろうけど)、全校生徒が下校するまで大人たちに無言で囲まれていた。

新聞記者である父親が早々に記者会見を開いた。妹の遺体を待ちながら、今は亡き母方の実家で取り乱していた父が冷静に会見するのを見る。職業柄マスコミの動向に詳しい父は娘の遺体を記者たちから守るために会見を開いていたのだ。

学年1クラスという小さな小学校内でおこった刺殺事件、同級生たちはカウンセリングを受けたりその後も見守られたが、「ぼく」には誰も問いかけてこなかったし、カウンセリングもなかった。何より大切な人を亡くして壊れかけている父親を支えないと…。結局彼は父について引越し、その先で高校に入学するも鬱になり不登校で退学に。父がやっと彼の傷に目を向けられたのはそこからだった。


『謝るなら、いつでもおいで』川名壮志
「私がカッターで切りました」。幼さを残す少女は動揺する大人を前に淡々と告げた。2004年長崎県佐世保市。小六の女児が白昼の校舎内で同級生の御手洗怜美さんを刺殺した。11歳――少年法すら適用されず人殺しの罪に問うことはできない。だが愛する者を奪われた事実は消えない。苦悩する被害者家族、償いきれない業火を背負った加害者家族……それぞれの心のひだを見つめたノンフィクション。(「BOOK」データベースより)







著者の川名さんは被害者の父親御手洗さんの部下。同じ新聞記者として働いていた。被害者の怜美(さとみ)ちゃんはもちろん、お兄ちゃんとも近しい関係。というのも新聞社といえど佐世保支局は地方の交番のようなつくりで、1階が駐車場、2階が新聞社の事務局、3階が支局長である御手洗さんの自宅になっていた。母をガンで亡くしているので、新聞社に勤める部下たちもしょっちゅう一緒に夕食を食べたり、小学生で人懐っこい怜美ちゃんは毎日のように事務局に顔を出していた。

近しい存在だからこそ、ていねいに寄り添い父である御手洗さんやお兄ちゃんに問うている。そして圧巻なのが加害者の父にも葛藤を抱えながら話を聴き込んでいる。被害者の家族を知っているからこそ、時に「これは裏切りなのではないか」と葛藤しつつも、聴き込んでいくうちに加害者の家族の苦しみも知ってしまう。タイトルの『謝るなら、いつでもおいで』はお兄ちゃんからの加害者に対しての思い。じっくりと意味をかみしめてほしいので是非読んでほしい。



『僕とぼく 妹の命が奪われた「あの日」から』川名壮志 
新聞記者の長男、次男として生まれた「僕」と「ぼく」。妹のさっちゃんが加わった家族は、ありふれた幸せに包まれていた。母の病と「あの日」が来るまでは…。世間を震撼させた「佐世保小6同級生殺害事件」から15年。被害者の兄二人が新たな希望を見つけるまでの感動ノンフィクション。(「BOOK」データベースより)




さっちゃんの12歳年上の長男「僕」は母の死を境に逃げるように大学入学を機に家を出る。家に「子どもとして」の居場所をなくしてしまったから。そして一卵性双生児のようにさっちゃんと仲の良い次男の「ぼく」。2人が語る母のこと、妹のこと、あの日のこと、いつまでも消えない傷とともに生きる今のことが交互に書かれている。一生懸命に「今」を生き、未来をつくる2人を読めて本当によかった。

周囲の大人たちは、腫れ物のようにそっと事件に触れずにいる。でも「語る」ことは底知れぬパワーを秘めている。子どもたちは自分の言葉で「あの日」を語り、つかない決着を模索する。周囲の大人ができるのは彼、彼女らの隣に座って「問う」こと、「聴く」こと。川名さんにとっても身近な人の死はとてつもなく辛い出来事であるのに、こうして「問う」て「聴いて」くれたこと、お兄ちゃんたちに大きな救いになったと信じたい。

【11月コース】6,13,20,27(水)10:00-12:00 単発受講受付中(2019/05/01以降)
12月コース】休講
【1月コース】8,15,22,29(水)10:00-12:00 受付中(2019/07/03以降)
●産後ケア教室@池袋(木)● (開始時間が10:30になりました)
【11月コース】10/31,11/7,14,21日(木)10:30-12:30 単発受講受付中(2019/04/25以降)
【12月コース】11/28,12/5,12,19日(木)10:30-12:30 受付中(2019/5/23降)
1月コース】休講
●産後ケア教室@吉祥寺(金)●
【11月コース】1,8,15,22日(金)10:00-12:00 単発受講受付中(2019/04/26以降
【12月コース】11/29,12/6,13,20日(金)10:00-12:00 受付中(2019/05/24以降
【1月コース】10,17,24,31日(金)10:00-12:00 受付中(2019/07/05以降
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●マタニティケア教室@吉祥寺●  
【11月コース】1,8,15日(金)12:30-14:30 単発受講受付中
【12月コース】6,13,20日(金)12:30-14:30 受付中
【1月コース】10,17,24日(金)12:30-14:30 受付中
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