2014年公開の韓国映画『ソウォン／願い』。劇場で観たときは目玉がもげる程に泣いて、放心してしばし席を立てなかったので、心身ともに健康な状態の時のみ鑑賞をお薦めします。っていうか、本当は犯罪者に観て欲しいのです。性暴力がどれだけ心を魂を、体を（この事件の場合は特に）、家族を傷つけていくのか。ポスターの言葉「幸せに生きていく それが最大の復讐」8歳の少女に教えられるという…。
幼女暴行事件の被害者家族の苦悩と再生を、韓国で実際に起きた事件を題材に描いたドラマ。「王の男」のイ・ジュンイクが監督を務め、性犯罪の被害にあった少女とその家族が、絶望の淵に立たされながらも希望を見出していく姿を描く。両親と幸せに暮らしていた8歳の少女ソウォンは、ある雨の朝、酒に酔った男に暴行されてしまう。ソウォンは身体と心に一生消えない傷を負い、追い打ちをかけるように病院にはマスコミが殺到、さらに犯人逮捕のために彼女の証言が必要となる。両親は愛する娘を守るべく奔走するが、ある出来事をきっかけに、ソウォンが父親に犯人の記憶を重ねておびえるようになり……。「シルミド」のソル・ギョングと「美しき野獣」のオム・ジウォンが両親役を演じた。（映画.comより）
体の傷とは性暴行による大腸と肛門の負傷。それにより人工肛門をつけることに。なんと怖ろしいことにこれが実話ベースで実はもっと凄惨な傷を負っていること。それなのに犯人は事件時泥酔状態ということで懲役たった12年。8歳の被害者が20歳になる頃（実際にはもっと前に）釈放されるという…。
母親は「大通りを歩いて行きなさい」と指示した自分を恨み、少女は「人には親切にしなさいと言われて、親切にした（犯人に傘を差し出した）ら、こんな目にあうなんて」ととまどい、学校に早く戻りたいのに、人工肛門をつけて登校することに抵抗を感じる。同級生はあの日見かけていたのに、一緒に登校しなかった自分を責める。犯人だけ能天気に生きていることが許されるものかと。
同級生や両親の同僚、友人たち、そして同じような経験をしたセラビストの存在によって、何より少女の人を信じる心（嗚呼、悲しい結果になってしまったのですが）、美しい心によって家族が再生されていくんです。韓国にしては珍しい復讐映画ではないのですが、 辛すぎるので次回は復讐ものを紹介します（そこw！？）。
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