映画『ナディアの誓い On Her Shoulders』を観て帰り道に早速購入した 『THE LAST GIRLーイスラム国に囚われ、闘い続ける女性の物語―』戦下における武器としての性暴力の根絶に尽力し、2018年ノーベル平和賞を受賞したナディア・ムラドの自伝。 2014年にイラクで起こったヤズィディ教徒大虐殺。未婚の若い女性たちはレイプだけではなく性奴隷として地獄の苦しみを味わう。そして危険を冒してサバイブした体験と、生還までの道を物語る。
映画はナディアの人権に非常に配慮して、マスコミがこぞって聞きたがるレイプのこと性奴隷については質問だけ多重に流れ、ナディアの回答は流されない。そして「みんな、そのことを聞きたがるけれど、今苦しんでいる人たちをどうするか…そんな質問をしてほしい」というモノローグが流れる。
イラクの地名、人名に慣れていなくて読むのにとても手間＆時間がかかってしまったのですが、読みだすといつこの地獄からナディアたちが抜けられるのかを思ってページが止まりませんでした。
戦禍での性暴力ということでは慰安婦のような意味合いしか知らなかったのですが…イスラム過激派組織ISISによる性暴力は組織立って、女性たちの人権を潰し、宗教を壊滅するためのものでした。
読むのもおぞましいのですが、引用します。
ＩＳＩＳは、より詳細なガイドラインを示すための〈人質と奴隷に関するＱ＆Ａ〉と題したパンフレットの発行さえおこなった。
Ｑ：思春期に達していない女の奴隷との性交は許されることですか？
Ａ：相手が性交に適しているなら、思春期に達していない女の奴隷と性交渉を持つことは許されます。
Ｑ：女の人質を売ることは許されますか？
Ａ：女の人質と奴隷は、たんなる所有物であるから、売る、買う、または贈り物にすることも許されます。
東洋経済オンラインの記事
｢#MeToo｣を一時の流行にしない社会はつくれる～国外の状況を知り被害者を守る制度整備を
荻上 チキ : 評論家 ／ 伊藤 詩織 : ジャーナリスト ／ 安田 菜津紀 : フォトジャーナリスト
私たちに具体的にできることは少ないかもしれない。けれど、日本でも女性や子どもの人権を確保していく、性暴力を軽視しない、性についての勇気ある発言に耳を傾ける…できることを一歩から。
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